言の葉の雨

音楽ド素人がCDレビューに挑戦する!!

&DNA;パスピエ【音楽評論#2】

#1に引き続き#2もパスピエ

新しいアルバムということでまだ聴きこめていないところもあるけどもレビュー(ちょっとした感想+印象に残った歌詞と理由等)していきたいと思います。

※青<緑<赤という具合にお気に入り度が上がっていきます。

歌詞の考察もちょっろっと入っていますが、的外れだったり、疑問のままに終わったりしています。




永すぎた春

シングル曲からの幕開け。始まり方が始まった!って感じがする。

前作「娑婆ラバ」に見られた和っぽさをこの曲からも感じる。

Cメロ(?)の「現実逃避~縁なのよ」怒涛の言葉攻めがどこか心地よい。

印象に残った歌詞「風が吹いた 猫が鳴いた 大事件だそうで
         全部拾って 拡散して  お祭り騒ぎ  」

 パスピエのというか歌詞を書いている大胡田さんの歌詞はけっこう韻を踏んでいる印象が強く、
ポップなメロディと共にこの歌詞が流れてきて「パスピエだなあ」と思った。



やまない声

初聴で好きになった曲。

前曲はドラムが楽器隊の中で目立っていたけど今回はピアノ(キーボード?)の音が耳に残る。

大胡田さんの時折かっこよさが見え隠れする歌い方も好みである。

他の&DNAのレビューで「取り繕ってる恋人に嫌気がさしている彼氏目線の曲」とあってなるほどなあ、と。

やまないが平仮名であるのには意味がありそう。

印象に残った歌詞「ニセモノくわせもの どうしてくれようか」

 さっきと同じで韻が踏んでいる点がひとつ。もうひとつは「くわせもの」。聞いたことあるような無いようなこの言葉は歌詞を見るまで「くせもの」だと思ってた。それが印象的だった。



DISTANCE

パスピエには珍しい英語のタイトル。

少し古めのPOPSという印象を受ける。具体的に曲名とかは言えないけど。

するりと目の前を通り抜ける感覚でメロディに乗っている間に曲が終わっているというのが数回聴いた感想。

歌詞をきちんと見て聴くとまた印象が違い、古めのPOPSっぽさが夜の孤独という雰囲気に合っていると感じた。

印象に残った歌詞「浅い傷じゃ傷が消えたら 忘れてしまうでしょう
         刻み込んで 見えない足枷 青ざめる金魚   」

 歌詞全体に漂う孤独感。この刻み込んで、で「リストカット」かなとか僕は思ってしまった。これだと重過ぎる?



ハイパーリアリスト

シングル曲。初聴はyoutubeにて。

普通の曲だなあというのが正直な感想。(永すぎた春・ハイパーリアリスト・ヨアケマエはアルバムを聴く前にそれぞれ一回ずつyoutubeで聴いている。)

明るく比較的アップテンポではあるものの僕のセンサー的なモノには引っ掛からなかった。

ファミコンっぽいイントロの部分含め演奏は結構好きかな。

印象に残っている歌詞「長くて短い手紙をしたためたんだ」

 この曲をあまり好きになれない要因として歌詞の部分が大きいのかもしれない。僕の好きな感じではなかったから。で、この長くて短いという矛盾のような表現はどういうことなんだろうと。長いんだけど読む人によっては短いとか? またはその逆? 手紙=詞?



ああ、無情

タイトルリストを見た時に一番気になった曲。

乾いた感じのギターの音(インタビューにてアコギにエフェクターを使ったとのこと)が非常に印象的。この音だけでなんかああ、無情だなと思った。

アップテンポ気味な心地良さがやまない声と似通っててこの曲も初聴で好きになった。

歌詞の方に目を向けてみると、DISTANCEが内側の孤独ならこっちは外側の孤独なイメージ。評価されたいけど、されなくて孤独を感じるみたいな。

印象に残っている歌詞「膝の着くような浅瀬に浮かんで
           気付いたら知らない空を見ていた
           眩しかった 帰り道もわからなかった」

 膝の着くような浅瀬に浮かんで、っていうのが小説っぽい表現が良い。膝の着く~わからなかった、がどこかフィクションっぽさを感じていて、孤独の最果てを表しているのかなと。



メーデー

三つ目のシングル曲。シングル曲なのにこのアルバムで初めて聴くという。

他三曲のシングルで僕の中で新しいアルバムに希望をあまり持てなかったのもありスルーしていたけどスルーしてたことを後悔するくらい良い曲。

歌詞、演奏ともに隙が無いと思わされる。ただ、サビの痛いよ居たいよの部分でアジカンのサイレンがちらっと出てきた。

印象に残っている歌詞「あー面倒だ またふりだしだ
           こめかみのLRを行ったり来たり
           あーメンソールふかしてみても
           むせかえるだけで虚無    」
 
 歌詞の意味の解釈はとりあえず置いておいて「あー面倒だ」からの「あーメンソール」である。この遊び心溢れた歌詞は僕の中でポイントは高い。一番も同じくなっているけどあえて二番を引っ張て来たのは「むせかえるだけで虚無」の歌い方が好きだからである。ここのギター(?)もいいね。とりあえず素晴らしい。



マイ・フィクション

カチッと締まった曲のあとはポップな曲が食後のデザートのよう。

何となく歌い方が「誰?」に似てると思った初聴では終わり方がまさに「誰?」とほぼ一緒でびっくりしたと記憶している。

言葉遊びも含めつつポップな今までのアルバムにあったようなパスピエを今風にやっているという印象がある。

印象に残っている歌詞「いくら覚めても現実なの
           わたしフィクションになりたくて
           熱が冷めても誠実だよ
           だけどフィクションになれなくて」

 サビだから印象に残らないといけない(?)っていうのはあるんだけど、パスピエは意外とサビ以外の所が好きだったりする。言葉遊び寄りのAメロとかよりもサビの歌詞が初聴から気になっていた。特に「熱が冷めても誠実だよ」が謎の魅力のあるフレーズである。



スーパーカー

曲の雰囲気は「夜」。それから「SF」。新しさの中に何故か古さが見え隠れする印象を持った。

歌詞はどこか儚げ。

スーパーカーという単語を見ると「チャイナタウン」のスポーツカーと混同してしまいそうになる。

ピアノの綺麗な音がいい味を出している。サビのところのコーラスは男性のだろうか。今まで無かった気がして新鮮味がある。

印象に残っている歌詞「突然の出来事 驚いているのは 僕だけなんだけど」

 なんだけど、の歌い方が印象的。歌詞についてはSF小説の冒頭のようで今までこんな雰囲気の歌詞がなかったなあと思わされた。



夜の子供

演奏部分だけ聞いてたらどこかおしゃれというか妙な心地よさがある。それに反するかのような童謡みたいな歌詞。

優しい歌い方(?)がどこか不気味で、歌詞も怖さがどことなく漂う。

最後の「止まれ」のエコーでこれは怖い曲なんだと決定付けてしまったけど、よく歌詞を見ればそんなこともなかった。

印象的な歌詞「顔はないけど いつでもそばにいてくれる おんなじ形で寄り添ってる」

 よく読めば「影」のことを現しているこの一文。さらっと聞き流すと顔はないけどそばにいるとか寄り添ってるとか幽霊的なモノかと最初の頃は思っていた。本当はなにかしら意図があるのかもしれないけど。



おいしい関係

ポップに振り切っている曲。故に何か戸惑う。夜の子供の後だから余計に。

最初は可愛らしい恋愛系の曲なのかと思ってたけど、インタビューをちらっと見た感じ軽い不倫みたいな曲なのかな。

まあ、前者の解釈で行くと良く分からないところもあったりしたから、後者寄りの解釈でいいと思う。たぶん。

ポップさに騙されたというべきか。

印象に残っている歌詞「冷めないように スープを温めてくれませんか
           ご都合主義で甘さ控えめがいい ふたりの関係」

 適度な距離感で二人の関係を築いていこうね、みたいに思ってたけどそれだとご都合主義が浮く。可愛らしい恋愛系はあんまり好きじゃないかなとか思ってた僕はもういない。



ラストダン

ラストダンスだけどラスト曲ではない。「演出家出演」の「ワールドエンド」だけど終わりの曲ではないみたいな。

DISTANCE、ああ、無情に続き「一人」というワードが。この場合はあなたを失って一人になるパターンだけど。

他の二曲とは違い、失っても前を向いている力強さを感じた。

「どこかで~いるなら」の所で鳴っているモールス信号的なのが何気に気に入っている。

印象に残っている歌詞「終わりが先にやってくる
           明けない夜に横たわる
           0と1のダンスホール
           こぼれ落ちた     」

 恐らく大胡田さんの声を重ねたと思われるコーラスも印象的だけどもこの曲のキーになりそうなフレーズたちである。0と1のダンスホールって何の事? 0と1と言えばぱっと思い浮かぶのがデジタルとかコンピュータ。ネットの世界の話? こぼれ落ちた=ログアウトとか? 分からない。



ヨアケマエ

最後のシングル曲にして最後の曲。

今までのパスピエにはなかった(はず)の最後にシングル曲パターン。

今までのパターンから逸らしてまでこの曲を持ってきたのは新しいパスピエ宣言みたいのも含まれているのだろうか。

パスピエで個人的にわりとあるサビよりもAメロが好きなタイプの曲である。

印象に残っている歌詞「待ってました 出ました お出ましだ
           最新が最高 当然でしょう
           いつしか疑いの目さえ失った傍観者 」

 待ってました、出ました、お出ましだ、韻踏みだ。最新だから最高傑作だよっていうメッセージではなくて、最新だからって最高っていうのは違うでしょうって事なんですね。最新が~でしょう、と、いつしか~傍観者を別個に捉えてたから勘違いしていた。






ようやく全曲レビュー終了。


永すぎた。前回が2000文字ちょっとなのにもうこの時点で倍の分量である。

お気に入り曲は「やまない声」「ああ、無情」「メーデー

シングル曲3曲(永すぎた春、ハイパーリアリスト、ヨアケマエ)をYouTubeにて聴いた時は何処か違う所に向かっているのかなあと不安になったけど、アルバム曲でお気に入りの曲が出来たしもう1つシングル曲であるメーデーが予想外に良かったりと良い意味で裏切られた。

評価「青」の曲もちらほらとあるが「個」として見たときの評価でアルバム全体で見た場合だと評価が上がる曲もあったりする。


そんなアルバムを最高傑作かと言われたら現段階では首を縦に振れない

パスピエの一番好きなアルバムは「幕の内ISM」であると思っていて、このアルバムも近い内にレビューしたいと思う。

新しいパスピエの幕開けのアルバムだと僕は感じた。夜が明けた先には何が待っているのか、これからのパスピエに期待を込めつつ、これにて終了。